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がん(前立腺がん)

腎がん膀胱がん前立腺がん

前立腺癌と診断された患者様へ(当院で施行可能な治療法のご紹介)

前立腺癌は早期であれば治癒することが十分可能な病気です。前立腺癌の治療法には大きく分けて手術療法、放射線療法、ホルモン療法、無治療経過観察があります(別紙参照)。治療法の選択は、患者様の年齢、腫瘍の悪性度、腫瘍の広がり、転移の有無、PSAの値、直腸内指診、画像診断などを参考にして決定します。どの治療を選択されるかは担当医とよくご相談下さい。他の施設へのセカンド・オピニオンを希望される場合はその旨お知らせ下さい。また、どの治療を選ばれても前立腺癌は悪性疾患ですので、PSA等による治療後の経過観察(定期的な外来通院)が必要となります。


治療について

各治療法のご説明
【手術療法】
手術(根治的前立腺全摘除術)は前立腺全体を摘出し尿道と膀胱を吻合するもので、早期癌に対する確立された治療法の1つです。基本的には腫瘍が前立腺外に出ていない、リンパ節転移等が無い場合に行われます。わが国においては、早期腫瘍に対する治療として最も一般的です。しかし、腫瘍の進行と平均寿命等との関係で、75歳以上の患者様には一般的にはお勧めしていません。手術の問題点として尿失禁や男性機能障害があります。尿失禁に関しては、術後3ヶ月でほとんどの方がパッド0~1枚で収まる程度に改善します。また、勃起に関わる神経を温存する事で、男性機能を温存できる可能性もありますが、必ずしも完全とは限りません。また、出血、感染、リンパ漏、直腸を含む周辺臓器の損傷等も頻度は低いですが起こり得る合併症です。
当院ではロボット支援前立腺全摘除術を2009年より開始し、2019年9月までに1100例以上施行しており、全国でも有数の症例数を誇っています。 本手術は出血量が少なく(術中の輸血施行例は、当院では1例もありません)、早期の社会復帰も可能です。また、前述の手術問題点である尿失禁や男性機能障害の防止対策にも積極的に取り組み、成果を上げています。
>ロボット支援前立腺全摘除術へ


ダビンチによる前立腺全摘除術の視野(3D立体画像)

【放射線療法(根治目的)】
放射線療法(根治目的)は前立腺癌に有効な治療法の1つです。現在当院では放射線治療部と協力し、放射線外照射(リニアックおよびIMRT)と組織内照射(ブラキセラピー)を施行しております。放射線外照射(リニアックおよびIMRT)は週5回、計30~36回程度の体腔外照射を施行しております。腫瘍が前立腺被膜外に浸潤している場合でも治療可能ですが、内分泌療法を併用する場合もあります。特にIMRTでは、前立腺周囲の組織への照射量を制御する目的で、照射前に金マーカーを前立腺に挿入し、その後に放射線照射を施行します。
組織内照射(ブラキセラピー)に関しては、主に腫瘍組織が前立腺内に留まっている患者様に施行します。基本的には3泊4日の入院により治療を完遂しますが、病期や病理結果等により上記外照射を併用する場合もあります。詳しくは別紙小冊子をご覧下さい。放射線療法の合併症には、照射野に入る皮膚の炎症や、膀胱および直腸などの炎症や出血などがあります。これらの有害事象は、治療後早期だけでなく、治療後長期間経過してから出現するものもありますので注意が必要です。
>前立腺小線源療法の説明へ
【ホルモン(内分泌)療法】
ホルモン(内分泌)療法は、男性ホルモンを抑える治療法です。前立腺癌細胞は男性ホルモンに依存して増殖するため、すべての病期において適応となります。基本的には内服薬(抗アンドロゲン剤)および注射薬(LH-RH製剤)、またはそれらの併用を行います。この治療は一生涯継続する必要があります。また、長期的にみるとホルモン治療が徐々に効かなくなる症例が多く、完治できる可能性がある場合は、そのことをよく理解された上で選択して下さい。
【PSA監視療法(無治療経過観察)】
無治療経過観察はPSAが低く、病理検査および画像診断の結果で比較的穏和な癌と考えられる方に提示します。定期的にPSA、MRI画像検査をチエックすることで癌の進行を予測し、上昇傾向があれば治療に移行する方法です。

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