No.L-8

第四世代HIVスクリー二ング検査試薬(VIDAS HIV DU。)
日本ビオメリュ一株式会社
○江崎 剛・上杉秋芳
 日本ビオメリュ一株式会社は,フランス-ビオメリュ-社が開発した新しい測定法に基づくHIVスクリーニング検査試薬を中請し,現在審査中であり,承認取得後,年内中の発売を計画している。
 現在一般に広く使用されている抗体のみを検出する第三世代までの検査法では,感染から抗体出現までのウインドー期にHIV感染を診断するのは困難であった。また抗体検出と同時に,抗原,RNA検出を実施することも操作性,経済性などに問題が残る。
 この問題を解決するために,本製品は合成ペプチド抗原と抗p24マウスモノクローナル抗体のニ層固相を用いることにより,HIV抗体とp24抗原を同時に検出することを可能とした。

 測定原理は以下のとおりである。

 合成ペプチド抗原と抗p24モノクロナール抗体を結合させた固相への検体中の抗体と抗原の結合は2段階反応で行われ,洗浄後,結合した抗体の検出にはアルカリフォスファターゼ標識ヒトIgGマウスモノクローナル抗体,また結合した抗原の検出にはビオチン標識抗p24抗体およびアルカリフォスファターゼ標識ストレプトアビジンを用いる。再び洗浄後結合したアルカリフォスファターゼ活性を蛍光基質4-メチルウンベリフェリルリン酸を用いて測定し,検体中の抗体および抗原を合わせて検出するものである。全反応工程は機器に内臓された反応プ口トコールにより自動的に実施され,測定結果がプリントアウトされる。

 今回,国内3施設での性能評価結果に基づき,感度および特異性について報告し,木製品の評価に供させて頂きたい。
 各掻BB1 HIV SEROCONVERSION PANEL血清を用いて検出時期を他法と比較した結果,抗体検出試薬よりも1〜2週間早くHIV感染を確認でき,p24抗原検出試薬と同等,PCR-RNAに次ぐ検出感度を示した。
 陰性検体n52例について,その特異性を評価したところ15例の陽性が認められ,特異性98.7%の結果を得た。
 HIV感染の検査試薬の持つべき性能として,感染を見逃さないことが重要視される性格上,本製品の優れた感度に対する評価が期待される。

 本製品は従来の抗体のみを検出する試薬とは異なり,HIV抗体とp24抗原を同時に検出することが可能となり,従来のウインド一期を更に1〜2週間短縮できることにより,HIV感染の早期診断-治療及び献血事業への貢献が期待される。
 また本製品は全自動蛍光免疫測定装置バイダスおよびミニバイダスの専用であり,血清または血漿を一定量分注するたけで測定が可能であり,日常検査への応用に適していると考えられる。

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