医療廃棄物問題:課題・問題提起
医療を考えるセミナー(2008年10月18日)
藤田保健衛生大学医学部第一病理学
堤 寛
Yutaka Tsutsumi

問題 1.

 藤田保健衛生大学病院では、感染性廃棄物の滅菌処理に「ロトクレーブ」と称される巨大なオートクレーブ(高圧蒸気滅菌装置)が用いられ、滅菌後に粉砕器によって粉砕・減容される。この滅菌・チップ化したマテリアルは、最終的に中間処理業者によって焼却処分されている。

問題点は何か。問題点の解決のために何ができるか?



問題 2.

 ゴミ対策の基本は、拒否(refusal)、減量(reduction)、再利用(reuse)、リサイクル(recycle)の4Rである。安全の視点から、病院では「使い捨て」が正義となりがちである。一方、医療費削減も病院にとって重要課題である。

うした状況の中、病院でできる4Rにはどのようなものがあるだろうか、考えてみよう。


問題 3.

 院内感染防止の大原則は「スタンダード・プレコーション」、すなわち、すべての血液・体液、患者は感染性があるとして接することにある。

医療廃棄物にこの考え方を持ち込んでいいだろうか?

ゴミからうつる可能性のある病原体は何だろうか?


問題 4.

 お産のあと排出される胎盤は、収集運搬・中間処理業者が準備した-20℃のアイクリームストッカーに冷凍保存され、1個1,000〜2,500円程度の病院負担で業者にひきとられる。お産に際しては100%感染症の検査がなされるため、安全を保証された生の胎盤が有価で入手できる。ひきとった胎盤は焼却処理することになっているが、行政の監視の目は甘い。事実、えな(胞衣=胎盤・臍帯)に関する条例をもっているのは8都道府県に過ぎない。

あなたが胎盤処理業を営むとするなら、どのように考えて行動しますか?



問題 5.

 病理解剖で取りだされる臓器はホルマリン固定後に保存される。保存期間が過ぎると病院の費用で斎場に持ち込まれ、火葬に付されるのが普通である。最近、好熱菌の耐熱性酵素を利用した臓器処理機(減容機)が開発され、一晩でホルマリン固定臓器が土のような粉末に変わる。この土のような残渣を遺族に返却することが可能である。墓に入れる、庭に撒く、山や海に戻す、花の肥料にするなど、いろいろな使い方ができる。

あなたなら、自分の身内の臓器残渣を返してほしいか?

返してもらったらどのようにするか?